職人だって経営者

しつこいようですが、ボクは職人です。 同時に、零細企業の経営者でもあります。

経営者は、利益を出して会社を守るのが仕事ですので、日々そのことに汗をかき、頭を使っています。

ボクは二代目経営者なんですが、先代である父はまさに「ザ・職人」という感じで、技術があれば仕事は勝手にやってくる、みたいな感覚で今まで生きてきたような感じです。

確かに、高度成長期からほんの少し前の時代まで、普通の経営者がしなければいけない顧客の開拓や集客などをせずとも、目の前の仕事を黙々とこなしていれば、職人は仕事に困らない時代がありました。

ですが、今はどうでしょう? ただ座って待っていて、勝手に仕事は舞い込んで来るでしょうか?

少なくとも、当社はそのような状況ではありません。

年配の職人さんが「技術があって誠実に仕事をしていれば、自ら売り込んだりしなくても、仕事は勝手についてくる」みたいなことを言っちゃたりすることがありますが、ハッキリ言います。

もうそんな時代は永遠にやって来ません!!!

努力せずとも仕事が舞い込んで来た時代。それは、その職人の技術が素晴らしかったからではなく、単に仕事が溢れていて、仕事を請け負ってくれる職人を探している人が多かったから、何もせずとも仕事にあぶれることが無かった。

そして、業界の企業数や従事する人の数も多かったので、知り合いの知り合いみたいに、横の繋がりで取引関係が構築出来ていたんですね。

昔の職人は、これを自分の経営者としての実力だと勘違いしていただけだったと思います。

経営者が商いのことを考えなかったら、お店・会社は成り立たない

そのような経緯で今日までやってきた職人の方々の経営者としての自覚。 まぁハッキリ言って、無いに等しいですわ・・( ´Д`)=3

しかし、もうそれでは通用しないんです。本当に。

日本が右肩上がりの経済成長を続けていた時代、仕事がいくらでもあった時代、真面目に仕事をしていれば、仕事はありました。

オンリーワン・№1の技術を持った職人さんであれば、今でも不況はあまり関係ないかもしれません。

ですが、いくら素晴らしい技術を持っていても、ニーズがなければ・見つけてもらえなければ、何の意味もありません。

ウチの父親とかのもう引退も近い年齢の方は、今から新しいことをする気力も体力も無いと思いますし、仕方がないと思いますが、ボクと同年代とか下の世代の方とかは、もっともっと「自分は経営者である」という意識を持たれて、積極的な情報発信とかをした方が、絶対に良いと思いますよ。

「ネットは苦手」「目立つのは恥」とか言ってる場合じゃないんですって。ホントに。

職人販促アドバイザー 栗田裕史(くりたひろし)

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心のシミも抜く染み抜き屋|栗田裕史.com

1969年京都生まれ京都育ち。染色補正という裏方の業種の職人でありながら、BtoBからBtoCへ挑戦。全て自力でサイトを作り「なをし屋」という屋号で、表舞台へと出る。 クリーニング師・染色補正士・京友禅伝統工芸士の三種の国家資格を持つ職人。

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