ボクもそうだったんですが、BtoB(業者間取引)のみしてきた人にとって、BtoC(一般消費者との商行為)へ踏み出すには、それなりの覚悟というか、決意みたいなものが必要になるようです。
業者同士の取り引きって、正直、楽なんですよね(あくまでBtoBとBtoCの両方を経験したボクの私見です。)
継続的な取り引きが基本だから、ある程度付き合いが長くなると、阿吽の呼吸まではいかなくてもお互いに勘所みたいなのを心得ているから、それほど気難しく考えなくても、仕事のやり取りが出来る。
お金の面でも、伝票を月の何日に〆て何日後に支払ってもらえるかという取り決めがあるため、資金の計画も立てやすい(着物業界では、支払いが何ヶ月も先という手形で支払う慣例が一部の業者間であったようですが、さすがに行政の指導などもあって、いまはかなり減ったようです。)
一方、一般消費者との商行為の場合、基本的には一期一会、初めましてのお客さんを次々に相手にしなくてはいけない。
お客さんそれぞれに事情なんかも違うので、対応するこちら側も通り一遍の対応では通用しないから、いつでも真剣勝負です。
お金についても、お客さんとそれぞれに請求して集金しないといけないので、なかなかに大変な面もあります。
とはいえ、この辺りのことは、両方経験しているボクに言わせると、単なる経験不足からくる不安に過ぎない場合がほとんどです。
それらの事とは別に、BtoCに踏み出すために必要な覚悟というか勇気がたった1つあります。
それは「評価されることを恐れない」ということです。
評価を恐れていては、BtoCは成り立たない
仕事というものは、自分の成したことに対して常に評価される運命にあります。
業者間での取り引きの場合も評価されてるんだから、同じじゃないか?と思われるかもしれません。
ですが、最初に言ったように、BtoBとBtoCの両方を経験したボクの考えでは、業者同士での評価と、ある意味一発勝負の一般消費者からの評価は、かなり意味が違います。
相手が業者さんの場合、相手もプロなので、融通が効くというか、こちらの事情なんかも結構分かってもらえることが多いんです。
例えば、うちの仕事を例にすると、かなり難易度が高い染み抜きの仕事があったとして、一所懸命頑張ってはみたけれど完全に直せなかった場合があったとします。
そのような場合、相手がプロである業者さんだと、難しいシミは落ちないこともあるということを知識として知っているので、ある程度理解して貰えることが多い。
一方、一般のお客さんの場合、基本的にはこちらの事情なんかは知ったことではないので、結果のみが評価の対象となります。
ずっとプロだけを相手に仕事をしてきた者にとって、これって結構しんどいというか、厳しい(笑)
でも、それは逃れられない宿命なので、そこさえ受け入れる勇気を持つことが出来れば、BtoCの経験が無くても、一歩踏み出してしまえば、何とかなるように思います。
ホントに(笑)
心のシミも抜く染み抜き屋|栗田裕史.com
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